日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2B-5
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口頭発表
調理実習におけるCOVID-19感染防止を考慮した授業方法の構築と評価
*熊谷 奈々三成 由美宮原 葉子入来 寛御手洗 早也伽能口 健太下川 愛子新原 千央向坂 幸雄徳井 教孝
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抄録

【目的】2020年はCOVID-19の感染防止を考慮し、学生の安全・安心を目指した調理実習授業を検討し取り組んできた。その教育効果について評価したので報告する。

【方法】対象は、「実習・食事設計と調理Ⅰ」を履修する大学1年生215名、授業形態は、4月の緊急事態宣言下では1)web(スライド) 、解除後の6月より2)WEB(スライド)+対面実習、3)WEB(示範の動画)+対面実習、4)対面のみ(示範+実習)、5)試験(筆記・実技)等を実施した。WEB(スライド)は、作り方や調理のポイント等教科担当者が録音して配信、WEB(示範動画)は、ビデオカメラで撮影し配信。対面実習の実習室入室前は検温後、アルコール消毒(調理靴、ロッカー、手指)、示範室、実習室、試食室内は火災防止のため次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒。実習は対面防止に配慮し、手袋を使用した。試食は使い捨て食器を使用し、パーティション等を配置した。授業評価の内容は、授業形態について理解度、興味、積極的な学び、授業での感動、勉強時間、自主的な調理の取り組みの6項目であり、5点評点法で実施した。 解析は、統計解析ソフトIBM SPSS Statistics ver.22を用いて、χ2検定を行った。

【結果・考察】4つの授業形態で、WEB(動画)と対面実習を併用した授業は、従来の対面のみの実習方法と比較すると、6項目において有意差はなく、勉強時間については有意な差が認められた。WEB(動画)は学生が継続して何度も見ることができ、対面実習は個人の技術指導ができるためか、WEBと対面実習を組み合わせたハイブリッド型授業はwithおよびafterコロナにおいて教育効果の有用性が認められた。

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