主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】鶏卵の卵殻は、家庭では廃棄される。卵殻を粉状に加工した卵殻粉は、主成分は炭酸カルシウムでカルシウム補給源としての利用が可能であり、体内への吸収率も高い。既にパン、ケーキなどの利用については報告したが、麺への応用を試みた。製品が酸性側になると、加熱時にガス発生の影響が製品にみられるので、かん水を用いる中華麺へ卵殻粉を添加した。
【方法】中華麺は、小麦粉300g、粉末かん水4.5g、食塩1.5g、純水108gで配合した。卵殻粉は小麦粉の0.5%、1.0%を添加し、その分の小麦粉量は減じた。パン捏ね機で1 5 分間通電した。これを製麺機で圧延し冷蔵庫で1 時間熟成させた。圧延 7 回 、 2㎜の麺に切り出した。調製した試料は冷蔵庫で7日間保存し、麺の重量の2 0 倍の沸騰水で150秒加熱した。麺の重量、色度、水分含有率、破断物性と加熱液のpH、塩分を測定した。本学学生15名による官能評価も行った。
【結果・考察】生麺110gで摂取できるカルシウム量は、卵殻粉を0.5%添加で209㎎、1.0%添加麺で418㎎であった。1食でとれるカルシウム量としては効果的である。麺の重量変化や加熱液のpH、塩分には、卵殻粉添加の影響はみられなかった。添加麺の色は、L*値が高いのでやや白く見える。破断総エネルギーや応力は、加熱直後では3試料間に有意差はみられなかった。破断歪率では卵殻粉添加麺が低値を示した。加熱30分後では、総エネルギーで、1.0%添加麺は無添加麺より有意に低く、0.5%麺は低い傾向であった。1.0%卵殻粉添加麺の水分含有率は無添加麺より高い傾向にあった。嗜好型官能評価では、いずれの麺もどちらでもない3点以上を示し、好まれた。卵殻粉の添加は、中華麺においては可能であることが明らかになった。