日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-17
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ポスター発表
微細米粉の基礎研究
−バッター調製時におけるショ糖添加の影響−
*中谷 梢徳永 みな子中本 恵子野口 聡子八木 千鶴山本 悦子米田 泰子
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キーワード: 微細米粉, ショ糖, 生地調製
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抄録

【目的】微細米粉(以下米粉)を用いたケーキ類やパイクラストの調製条件と製菓特性を明らかにする過程で、米粉における換水値や副材料添加の影響を知る必要が認められた。そこで第一報では、水または卵で調製したバッターについて、米粉生地と強力粉生地、薄力粉生地の特性を比較した。本報では米粉バッター調製時におけるショ糖添加の影響を知ることを目的に、米粉バッターと薄力粉バッターの特性を比較した。

【方法】米粉または薄力粉と水の配合割合は1:1(150g:150g)とした。ショ糖(グラニュー糖)量は粉の0%、33%、66%、100%、133%(0g、50g、100g、150g、200g)とした。ビーカーに水(1/2量)、粉とショ糖の混合物、水(1/2量)の順に入れバーミックスで撹拌した。前報同様に水分含有率、粘度、Area Spread Test値(以下:AST値)を測定し検討した。

【結果】1)水分含有率は、ショ糖量の増加に伴い少なくなった。同量のショ糖の添加では、米粉バッターと薄力粉バッター間に差はみられなかった。2)粘度は、米粉バッターではショ糖を加えると低くなるが、33%以上では差が小さかった。薄力粉バッターではショ糖を33%添加すると高くなるが、66%では低くなった。3)AST値は、米粉バッターではショ糖を33%加えると大きくなるが、66%以上では小さくなった。薄力粉バッターではショ糖量の増加に伴い大きくなるが、66%以上では差が小さかった。米粉バッターはショ糖を33%以上、薄力粉バッターはショ糖を66%以上加えると生地中のショ糖密度が高くなることから、粘度は低くなり、AST値は広がると考えられた。

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