主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】微細米粉(以下米粉)を用いたケーキ類やパイクラストの調製条件と製菓特性を明らかにする過程で、米粉における換水値や副材料添加の影響を知る必要が認められた。そこで第一報では、水または卵で調製したバッターについて、米粉生地と強力粉生地、薄力粉生地の特性を比較した。本報では米粉バッター調製時におけるショ糖添加の影響を知ることを目的に、米粉バッターと薄力粉バッターの特性を比較した。
【方法】米粉または薄力粉と水の配合割合は1:1(150g:150g)とした。ショ糖(グラニュー糖)量は粉の0%、33%、66%、100%、133%(0g、50g、100g、150g、200g)とした。ビーカーに水(1/2量)、粉とショ糖の混合物、水(1/2量)の順に入れバーミックスで撹拌した。前報同様に水分含有率、粘度、Area Spread Test値(以下:AST値)を測定し検討した。
【結果】1)水分含有率は、ショ糖量の増加に伴い少なくなった。同量のショ糖の添加では、米粉バッターと薄力粉バッター間に差はみられなかった。2)粘度は、米粉バッターではショ糖を加えると低くなるが、33%以上では差が小さかった。薄力粉バッターではショ糖を33%添加すると高くなるが、66%では低くなった。3)AST値は、米粉バッターではショ糖を33%加えると大きくなるが、66%以上では小さくなった。薄力粉バッターではショ糖量の増加に伴い大きくなるが、66%以上では差が小さかった。米粉バッターはショ糖を33%以上、薄力粉バッターはショ糖を66%以上加えると生地中のショ糖密度が高くなることから、粘度は低くなり、AST値は広がると考えられた。