日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-30
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ポスター発表
静岡県内に生息するニホンジカ肉ハンバーグの食肉特性と嗜好性におよぼす塩麹添加の影響
*大槻 尚子鈴木 泉石橋 弥生市川 陽子
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キーワード: シカ肉, 物性測定, 官能評価
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抄録

【目的】ニホンジカ個体群の低密度化のためには、シカを資源として広く情報発信し、食肉として有効利用することが望まれる。本研究ではシカ肉を利用した地域特産製品の開発の一環として、伊豆地域で捕獲されたシカ肉を用いたハンバーガー用パテに、塩麹−食塩の配合比率を変化させて添加した際の食肉特性と嗜好性について検討した。

【方法】予備試験の結果から、試料中の食塩相当量を0.5%に固定し、塩麹−食塩の配合比率(10:0、7:3、5:5、3:7、0:10)を変化させた各試料の保水性(クッキングロス、遠心保水性)、かたさ応力、凝集性、遊離アミノ酸関連物質含有量を測定した。併せて順位法による官能評価を行い、塩麹−食塩の配合比率の違いによる食肉特性および嗜好性を比較・検討した。

【結果】かたさ応力は、塩麹−食塩(10:0)と比較して、(7:3)よりも食塩の配合比率が高くなるにつれて高値を示し、(0:10)で有意に(p<0.05)高くなった。凝集性は、塩麹と食塩の配合比率が同率の時に最も高値であった。保水性は、かたさ応力と同様に食塩の配合比率が高くなるにつれて高くなる傾向を示した。本研究の塩麹−食塩配合比率においては、塩麹の添加により塩麹に含まれるプロテアーゼが筋原線維等を分解し、添加量が最も多い塩麹−食塩(10:0)で、試料が最も軟らくなった。しかし、食塩が添加された(7:3)以降では、食塩の配合比率が高くなるにつれて、アクチン、ミオシンが溶出し、アクトミオシンによる粘着性が生じ、かたさ、凝集性、保水性に影響したと推察された。官能評価では、塩麹−食塩(7:3)においてジューシーさが最も好まれたが、他の項目においては配合比率の違いによる有意な差は認められなかった。

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