主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】豚ロース肉において,若い女性は脂肪部を除いて食す傾向がある.そこで,筋肉部のみの場合と脂肪部を含めた場合の食味特性の違いについて検討を行い,豚ロース肉を適正に評価する官能評価方法を検討した.
【方法】試料は国産豚肉111頭(雌48頭,去勢63頭)の背最長筋部を用い,重量を平均1.2kg(縦14cm,横13cm,厚さ7cm程度)に調整した.中心に内部温度測定用センサ(安立計器)を使用し,170℃のオーブンで中心温度70℃になるまで焼成した.分析型官能評価は8段階評価尺度で訓練パネルのべ17人により1cm厚1枚で行った.項目は,筋肉部の評価10項目,脂肪部のみを評価する3項目,および筋肉部と脂肪部を合わせた「肉脂総合評価」とした.解析はSPSS Ver.25,JUSE-State Works V.5,JMP®13を使用し,独立したサンプルのt検定,相関分析,PLS解析を行い,検討した.
【結果・考察】「肉総合評価」は「総合的食感」「風味の強さ」と正相関を示した(p<0.05).PLS回帰分析による「肉脂総合評価」に寄与する項目は,「肉総合評価」および「脂肪部の豚くささのなさ」であった(寄与率73.1%).「肉脂総合評価」四分位上位28頭は「肉総合評価」上位28頭より「脂うま味強度」「肉脂総合評価」で高値を示した(p<0.05).また,「肉総合評価」上位群中で「肉脂総合評価」の上位群に入らない12頭は,「肉脂総合評価」上位群中で「肉総合評価」の上位群に入らない12頭と比較し,「脂肪部の豚くささのなさ」「脂うま味強度」において低値を示した(p<0.05).豚ロース肉の食味特性には脂肪部の影響が強く,適正に評価するためには筋肉部のみではなく,脂肪部評価も含める必要性が示唆された.