【目的】生醤油は火入れを行っていないため、鮮やかな色や香りが穏やかなだけでなく酵素が残存する特徴がある。これまでに生醤油に含まれるα-アミラーゼに着目し、チャーハンやピラフ調製時に生醤油を用いると火入れ醤油に比べ柔らかく粘りが感じられ、官能評価において、「甘み」、「うまみ」、「総合評価」で生醤油が有意に好まれることを明らかにした1)。米飯の物性測定には、これまでは破断強度解析(一粒法)を用いてきたが、米飯粒の個体差の影響が大きいことから、今回、チャーハンに対しテクスチャー解析(集合法)を用い、測定方法の違いによる物性結果への影響について検討した。
【方法】キッコーマン製濃口生醤油または濃口火入れ醤油(普通醤油)を用いて、市販冷凍食品で使用されているレシピに基づいてチャーハンを調製した。それぞれ調製当日および1週間冷凍(−18℃)保存後、レンジ(500W・50秒/36g) で加熱解凍したものの合計4種類を試料とした。各試料の物性をレオメーター(RE2-33005S 山電)を用いて、破断強度およびテクスチャー解析を行った。
【結果・考察】一粒法では、生醤油と普通醤油を使用したチャーハン間において、各測定値に有意差は認められなかった。一方、集合法では、生醤油を用いた場合、普通醤油と比べて有意に柔らかく、粘りが多いがばらけやすいことが示され、官能評価の結果を反映していた。この理由として、塊として米飯を測定することにより、米への醤油の浸透度の違いや調理過程における形状への物理的ダメージなどの影響を受けないことが考えられた。以上のことから、調理特性を反映する物性測定法には、テクスチャー解析(集合法)が適していることが明らかとなった。
1) 2019年度日本調理科学会大会