日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-91
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ポスター発表
若年女性の食嗜好と生活習慣
ー味覚感受性と食嗜好・生活習慣の関連を中心にー
*高山 裕子柿崎 彩華亀谷 由佳
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抄録

【目的】食生活や食環境の変化は食嗜好や味覚に強く影響し、塩味や甘味の味覚閾値の上昇に関係している。本研究は、若年女性の味覚の現状と食嗜好、生活習慣との関連を明らかにすることを目的とする。

【方法】調査は2020年~2021年に行い、18歳~39歳までの女性88名を対象とした。方法は、味覚検査(5味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)識別検査)により検知閾値と認知閾値を調べた。呈味試薬としては、甘味にはグラニュー糖、塩味には塩化ナトリウム、酸味にはクエン酸、苦味にはカフェイン、うま味にはグルタミン酸ナトリウムを用いた。また、だしの嗜好度、食習慣(運動や健康、食行動、食態度、食意識の4つの分野について好ましい習慣を点数化)、睡眠状況(ピッツバーグ睡眠質問票日本語版)を把握した。味覚感受性と食嗜好・生活習慣の関連性については、Pearsonの相関分析、χ2検定、2群間の差の検定により検討した。

【結果】味覚検査では、うま味と苦味の閾値が高く、味の正解率が低いことからわかりにくい味であった。味覚感受性とだしの嗜好については、天然だしを好む者の塩味の閾値が有意に低く味覚感度が高かった。だしの種類と食習慣との分析から天然だしを好む者の合計得点が有意に高く、特に運動・健康分野、食行動分野での点数が有意に高かった。睡眠については、実質睡眠時間と酸味・うま味で正の関連がみられ、苦味の閾値の低さと睡眠得点で正の関連がみられた。睡眠と味覚感受性の関連は、睡眠時間の長さや就寝時間よりも睡眠の質が味覚感受性に影響を及ぼす可能性が示唆された。

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