日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-93
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ポスター発表
モリンガリーフパウダーがパンの性状に及ぼす影響
*郡山 貴子青木 櫻田代 あみ
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抄録

【目的】モリンガ(Moringa oleifera)はインド北部原産のワサビノキ科の植物で、高い栄養価と機能性を有し、葉や根、茎、および花などが利用されている。本研究ではモリンガの葉を粉末にしたモリンガリーフパウダー(MLP)でパンを調製し、その性状に及ぼす影響について検討した。

【方法】パンの材料はMLP(沖縄産)、強力粉、無塩バター、食塩、ドライイースト、および水とし、ストレート法で調製した。MLP添加量は強力粉を0%、1%、2%、5%、10%置換した。保存条件は室温(26℃)と冷蔵(4℃)にて0、2,4,24,48時間、および1週間とした。測定項目は水分量、比容積(菜種法)、色価(SE6000,日本電色工業)、かたさ(TA-XTPlus、英弘精機)、および老化の程度(DSC-60 、島津製作所)とした。

【結果・考察】パンの比容積は0%では4.23mL/gであったが、1%で3.94mL/g、10%は2.24mL/gとMLP量の増加に伴い減少した。色価はMLP添加によらずクラスト、クラムともに保存による明瞭な変化はみられなった。硬さは常温保存48時間後において、0%では保存前に対して約2.3倍硬く、MLP添加1%および2%では1.2倍程度であった。焼成直後はすべてのパンでDSCのピークはみられなかったが、1週間後では0%で43.0℃にシャープなピークがみられた。一方MLP1%~10%の1週間後のピークはいずれもブロードで44.2℃~45.4℃の範囲であった。このとき老化の程度を示すΔE値は0%に対して、1%および2%では約1/2、5%および10%では約1/10であった。これらのことから、MLP添加パンは老化の進行が抑制されることが示唆された。

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