日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-7
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ポスター発表
馬鈴しょ新品種と既存品種の嗜好および加工特性の比較(1)
*綿貫 仁美上薗 薫林 一也浅野 賢治
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抄録

【目的】特徴的な肉色を有する高付加価値馬鈴しょ品種の開発のため、既存品種であるノーザンルビー、シャドークインと、新品種であるシャイニールビー、ノーブルシャドーについて、アントシアニン含有濃度、嗜好、高圧加熱処理による加工適正について比較検討を行うことを目的とした。

【方法】試料は農研機構北海道農業研究センターで栽培された、赤肉系品種のノーザンルビー、シャイニールビー、紫肉系品種のシャドークイン、ノーブルシャドーを用いた。1)各馬鈴しょ塊茎から3%ギ酸を用いてアントシアニンを抽出し、吸光スペクトル法で色素含有量の測定を行った。2)同系統の馬鈴しょ嗜好検定を2点嗜好検査法を用いて行った。3)各馬鈴しょ塊茎を蒸し、皮を剥き、マッシャーで潰した後、レトルト包装を行い、120℃で4分、8分、12分、15分の条件下で高圧加熱処理を行った。処理後、4℃で18時間冷却保存した後、色差を測定した。

【結果・考察】ノーザンルビーとシャイニールビーのアントシアニン含有量は160mg/100gと168mg/100gであった。シャドークインとノーブルシャドーでは、619mg/100gと1041mg/100gであった。嗜好検定は、有意差はなく、同系統の馬鈴しょにおいて嗜好差はなかった。高圧加熱処理における色調変化では、赤肉系品種において、加熱時間が長くなるにつれてa値が負に移動し、b値は正に移動し、値はあまり変化がなく、どちらの品種も同程度の色調で変化をした。紫肉系品種では、加熱時間が長くなるにつれて、a値が負に移動し、b値は正に移動し、値は高くなる傾向を示した。ノーブルシャドーの方が色調が濃く、加熱による色残りが高い結果となった。

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