日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-9
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ポスター発表
小豆粉が食パンの物性に及ぼす影響
*小濱 絵美
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キーワード: 小豆粉, 食パン, 物性
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抄録

【目的】小豆の食品としての利用は餡や赤飯が主であるが、新しい使用用途として粉末状の小豆が開発され、製菓・製パン専用の小豆粉も流通するようになった。小豆粉は、小豆を生のまま粉砕するため、小豆の種皮成分や風味を生かすことができる。本研究では、強力粉の一部を製パン用の小豆粉に置換した食パンの物性を測定し、小豆粉が食パンへ及ぼす物性への影響を検討した。

【方法】小豆粉の置換率は0、10、20、30、40、50%とし、その他はベーカーズパーセントでドライイースト1%、食塩1.25%、砂糖5%、バター3.75%、スキムミルク2.5%、水67.86%とし、ホームベーカリーを用いて食パンを調整した。物性測定は、パンのクラム部を30mm四方の立方体に調製し、テクスチャープロファイルユニットTPU-A2((株)山電)を用い、プランジャーは直径15㎜円形、圧縮量80%、圧縮回数2回、速度2.5㎜/秒とした。硬さに相当する圧縮強度は、1回目圧縮時の最大荷重(N)、粘弾性に相当する凝集性は、測定により得られた2回目の積算圧縮面積を1回目の積算圧縮面積で除した値とした。

【結果・考察】焼成した食パンの高さは、小豆粉の置換率が高まるほど低くなった。硬さに影響する最大荷重は、小豆粉の配合割合が高くなるにつれて数値が高くなり、小豆粉を配合することでパンが硬くなる傾向が認められた。粘弾性に影響する凝集性は、小豆粉の配合割合が高くなるにつれて数値が低くなり、小豆粉を配合することでパンの弾力が失われる傾向が認められた。凝集性は小豆粉の置換率0%、10%、20%の食パンでは数値の差が小さく、置換率30%から数値が大きく減少する傾向が認められた。この結果から、今回の配合での製パン性の限界は20%程度と考えられる。

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