日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: A-9
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口頭発表
プレバイオティクス性の向上を目指した玄米加工に関する研究
*菅 尚子額 惠理香内田 はるか川畑 球一坂本 薫
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抄録

【目的】玄米は、食物繊維を多く含むことから、プレバイオティクス作用が期待されている食品の一つである。しかし、玄米の食物繊維の多くは不溶性であり、善玉菌に対する資化性を高めるには、それらを水溶化させる必要がある。そこで本研究では、玄米のプレバイオティクス性を高める調理加工方法を明らかにすることを目的として、加工による機能性成分の変動と食物繊維の一つであるアラビノキシランの水溶化について検討した。

【方法】玄米を原料として、穀物膨張機によりパフ加工したサンプルを二種、また焙煎機により焙煎したサンプルを二種作製した。機能性成分量の評価として、抗酸化性はDPPHラジカル消去活性で評価するとともに、フォーリンチオカルト法により総ポリフェノール含量を測定した。また、フロログルシノール法を用いて総アラビノキシラン及び水溶性アラビノキシランの定量を行った。さらに、糠層ではアラビノキシランがポリフェノールの一種であるフェルラ酸と結合して存在していることから、高速液体クロマトグラフを用いて総フェルラ酸及び遊離フェルラ酸量について測定した。

【結果・考察】未加工の玄米と比較して、パフ加工および焙煎加工したものは抗酸化活性および総ポリフェノール量が増加することを確認した。興味深いことに、水溶性アラビノキシラン量と遊離フェルラ酸量は、焙煎加工したサンプルにおいては減少したが、パフ加工したサンプルにおいては顕著な増加が認められた。高い圧力下でパフ加工したサンプルにおいては、総アラビノキシランと総フェルラ酸がともに減少したが、アラビノキシランを顕著に水溶化したことから、パフ加工はプレバイオティクス効果を高めるのに適した加工方法であることが示唆された。

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