【目的】アマランサスは一般的な穀類に比べてリシンが豊富で、また、日本人に不足しがちなカルシウムや鉄などの微量栄養素も多い穀粉である。しかし、加工性や嗜好性に課題があり、日常的に取り入れられるには至っていない。そこで本研究ではアマランサス粉を三大アレルゲンを含まない含泡食品の素材とし、他の穀粉と比較することでアマランサス粉の調理特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】アマランサス粉に豆乳、グラニュー糖、ベーキングパウダー、LMペクチンを混合し、180℃で30分焼成し含泡食品を調製した。その際、副材料の添加温度を4段階に変化させた。客観的評価として、粉体の吸水特性と糊化特性、生地の温度履歴、含泡食品の比容積、静的粘弾性、破断特性、テクスチャー特性を測定し、主観的評価として官能評価を行った。併せて、全粒粉、強力粉、薄力粉、小麦でんぷん、玄米粉、米粉の各穀粉についても同様に実験を行った。
【結果・考察】アマランサス粉の吸水率は、玄米粉に次いで高かった。糊化特性についてはアマランサス粉の糊化開始温度は最も高値となった一方で、最高粘度への到達時間は最も速かった。アマランサス粉の含泡食品の比容積は全粒粉とともに低値を示したものの、フック部の弾性率と凝集性は小麦でんぷん、ニュートン部の粘性率と硬さは米粉と近かった。アマランサス粉の含泡食品は遅延時間が高く、付着性が大きいことが特徴であった。豆乳の添加温度が高くなると、粘弾性が低下し、硬さと付着性は増加した。官能評価では、アマランサス粉の含泡食品は、もちもち感と唾液との混ざりやすさで米粉と似た評価となったが、嗜好性では好まれず、香りをマスキングし、べたつきを改善させることで嗜好性が高まる可能性が示された。