日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-34
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ポスター発表
市販微細化農産食品の加熱懸濁液の粘性特性
*谷澤 容子鵜殿 恵理香西 みどり松宮 健太郎松村 康生
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抄録

【目的】粉砕技術の進歩により,食品を数十マイクロメートルに粉砕することが可能となり,調製した微粒子の乳化性・起泡性調理への利用や粘性調理への利用の検討*1を報告したが,市販微粒子の粘性の検討は行われていない。本研究では市販微粒子素材の増粘効果について検討することを目的とした。

【方法】澱粉質、非澱粉質の市販農産食品微粒子として,粒子径(D50)7.2~19.9μmの玄米,カボチャ,紫イモ,ショウガ,レンコン,トウモロコシ,ニンジン,レモン,ユズ,レンコン,トウモロコシ,ニンジン,ユズ,ヒジキ,ホウレンソウ,コマツナ,ブロッコリー,ゴボウの14種類を選び,走査型電子顕微鏡観察,見かけの密度等の基礎特性を調べた。微粒子を5.7%,9.1%添加し加熱粘性試料を調製した。試験管倒置法による流動を観察,E型粘度計により粘度を測定した。見かけの粘度の温度依存性を調べた。冷凍耐性は,-20℃1週間冷凍保存後40℃あるいは沸騰水解凍後に流動を観察した。目開き25μm篩を通した微粒子形の粘度から粒子サイズの影響も検討した。

【結果・考察】8種類の農産食品の微粒子が粘性のある試料となった。澱粉質食品の微粒子は9.1%以下,非澱粉質は概ね13.8%以下で粘性試料に適することが示唆された。冷凍保存試料は,99.5℃解凍でいずれの微粒子も粘性試料が得られた。また,粘度の温度依存性がアンドレードプロットにより確認できたことから,粘性調理への利用可能性が示唆された。25μm篩別粒子は,粒子サイズの大きい方が粘度が高くなる傾向がみられた。試料によって微粒子のアスペクト比と粘度の関係は様々であった。*1;谷澤ら(一社)日本調理科学会2019年度大会研究発表要旨集,p45

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