日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2P-20
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ポスター発表
調理法の異なるくろさき茶豆(本茶豆)の呈味成分、抗酸化活性及び物性の評価
*Korshunova Iana田中 日菜子加藤 和樹大竹 憲邦藤村 忍西海 理之山口 智子
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抄録

【目的】くろさき茶豆は新潟市西区黒埼地区で栽培されている枝豆で,茶豆特有の外観とともに,芳醇な香りと良食味を特徴とする。2017年に地理的表示(GI)保護制度に枝豆として初めて登録され,ブランド化している。8つの指定品種があり,7月上旬から9月上旬に味わうことができる。枝豆の調理ではゆでることが一般的であるが,近年,蒸し器やフライパン,オーブンによる加熱調理も行われている。そこで,本研究では生産量の半数を占める本茶豆について,異なる調理法による呈味成分,抗酸化活性,物性等への影響を評価することを目的とした。

【方法】2022年8月上旬に収穫したくろさき茶豆(本茶豆)を収穫当日に用いた。調理法はゆで,塩ゆで,蒸し,フライパン焼き,オーブン焼きの5種類とし,いずれも10分間加熱した。水分含量,色調,アミノ酸含量,総ポリフェノール量,抗酸化活性,破断特性を測定するとともに,味覚センサーによる呈味評価を行った。

【結果】水分含量はゆでと塩ゆでがフライパン・オーブン焼きより約4%高かった。色調はオーブン焼きのL*とb*が有意に高く,a*が低かった。総ポリフェノール量及び抗酸化活性には調理法による相違はみられなかった。主要なアミノ酸はアスパラギン,アラニン,グルタミン酸であり,GABAとアルギニンも比較的多く含有していた。これらのアミノ酸及び総アミノ酸量は塩ゆでで低い傾向がみられ,GABAはオーブン焼きで有意に高かった。物性評価ではオーブン焼きとフライパン焼きの破断応力が有意に高く,他の調理法に比べて硬かった。味覚センサー評価の結果,塩ゆででは苦味雑味と渋味刺激が少なく,旨味はフライパン・オーブン焼きで強いことが明らかになった。

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