日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1C-6
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口頭発表
学校給食の献立における魚介類を使用した料理の特徴
*伊藤 美穂名倉 秀子
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キーワード: 学校給食, 魚介類, 調理方法
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抄録

【目的】学校給食は「生きた教材」として子どもたちの日々の食育に活用されている。これまでの我々の研究において,学校給食の「揚げ物」の主材料に魚介類が多く使用されていることが明らかとなっている。そこで,本研究では「魚介類」を使用した学校給食の献立を調査し,学校給食における魚介類の食され方を明らかにすることを目的とした。今回は,今後の大規模調査に向けた課題を抽出するための予備調査として,3地域のみの結果を報告する。

【方法】2021年4月~2022年3月の学校給食献立を調査対象とした。献立表はインターネット上で掲載されているものを収集し,そのうち料理ごとの材料が詳細に記載されている3校の献立を分析対象とした。魚介類の使用頻度,種類,調理方法,料理様式などについて集計し,エクセル統計を用いて分析を行った。

【結果】3校の総提供回数は566回であり,総料理数は2,692品であった。その中で,魚介類の使用頻度は11.8%(319品)であり,そのうち主食での使用が7.5%(24品),主菜が47.6%(152品),副菜が28.2%(90品),汁物が16.6%(53品)であった。主菜の調理方法は,揚げるが最も多く,次いで煮る,焼くの順であった。最も多く使用されていた魚介類の種類は魚肉練製品で,汁物や主菜に調理されていた。次いで,切身の魚類,ツナフレークの順に使用が多く,調理加工されていない切身の魚類は「さけ」や「さば」などであり,ほとんどが主菜であった。ツナフレークは,主食,主菜,副菜と様々な料理に使用されていた。これらの結果より,学校給食で食されている魚料理の傾向がみえ,子どもたちの食嗜好の把握に繋がると考えた。

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