日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1D-7
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口頭発表
LAM尺度で収集した清酒の評価データを少ないサンプル数で予測する
*下藤 悟甫木 嘉朗土居 睦卓加藤 麗奈森山 洋憲
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キーワード: 清酒, 官能評価, 回帰分析
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抄録

【目的】清酒販売の課題に実際に飲酒しないと好みかどうかわからないことがある。もし分析値から好みの清酒を予測できれば,清酒販売の増加が期待できる。そこで本研究では清酒の好みについての総合評価を分析値からどの程度の精度で予測できるかを検証した。

【方法】試料は高知県内で製造された清酒147品を用いた。清酒の主要な水溶性成分と香気成分13項目を分析した。官能評価は16名で行い,評価項目は総合評価と6つの特徴評価,評価方法は0から100までのLAM尺度とした。総合評価の予測はRのcaretパッケージでのPLS回帰分析,機械学習により行った。説明変数は特徴評価の結果また成分分析値とした。テストデータはランダムに抽出した14品とした。トレーニングデータは残りの133品とした場合と,12品をクラスター分析に基づいて抽出した場合を設定した。予測精度は平均絶対誤差(MAE)と自由度調整済み決定係数(adjR2)と,総合評価を良い,悪い,どちらでもないの3段階評価に変換したときの正答率で検証した。

【結果】133品のデータから14品を予測した際の総合評価の予測精度の平均は,説明変数に特徴評価の結果を用いた場合はMAE:8.23,adjR2:0.67,成分分析値を用いた場合はMAE:9.37,adjR2:0.60であった。3段階評価での予測では,133品でモデリングした場合の正答率は平均79.0%であった。抽出した12品でモデリングした場合の正答率は平均71.4%であった。すべての商品を良いと予測した場合の正答率は平均62.3%であったことから,クラスター分析は予測精度の向上に寄与していると考えられる。

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