日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1A-3
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口頭発表
玄米炊飯法「びっくり炊き」におけるさし水の諸条件の比較
*林 倖穂大石 恭子
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キーワード: 玄米, 炊飯, テクスチャー
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抄録

【目的】玄米炊飯法「びっくり炊き」は,炊飯途中で炊飯液を一度米粒に吸収させ,さし水を添加して再沸騰後20分間加熱し,飯にする方法である。これまでに,当該方法は加熱前の浸漬が不要であり,さし水は低温がよく,炊飯過程での胚乳露出面積や色(L値)の測定は玄米の外皮の破裂状態を反映する一指標となり得ることを示した1)2)。そこで本研究では,さし水の回数と量,タイミングの違いが玄米の形状変化等に与える影響を明らかにすることを目的とした。

【方法】玄米(宮城県産ひとめぼれ)150 gを洗米後,米重量の1.2倍の水を加え,鍋を用いて加熱した。対照試料は10分かけて沸騰させ,その後沸騰継続10分後に米重量の1.5倍のさし水を加え,再沸騰後,20分後に消火,蒸らしを行った。さし水2回の試料は,2回目のタイミングを1回目の10分後とし,量は1回目,2回目各々,米の0.75倍ずつ([0.75-0.75]と表記)または0.5倍,1.0倍([0.5-1.0])とした。さし水1回の試料は,そのタイミングを沸騰継続3,15,20分後とする条件も設け,飯の形状,色(L値,Browning Index)等の測定を行った。

【結果】さし水2回[0.75-0.75]の試料は,粒の大きさおよび炊きあがり倍率が[0.5-1.0]に比べると有意に高く,さし水1回に比べても高い傾向が見られた。沸騰継続3分後のさし水添加試料は他のタイミングに比べて粒が最も小さく,10分後添加は大きくなった。15,20分後添加は他試料よりも飯粒のL値が高く,炊飯後半でのさし水添加は飯の色に影響を与えた。

1)日本調理科学会2021年度大会,2)同2022年度大会

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