日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1E-6
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口頭発表
料理を特徴づける典型的な食材の組合せ
—クックパッドの和風パスタの場合— 
*福留 奈美伊尾木 将之上原 宏
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抄録

【目的】外国からの食品・料理が伝来し受容されるプロセスにおいて,現地の人々の好みに合わせたアレンジが加えられ,現地で入手可能な食材・調味料等を使用した現地化されたアレンジ料理として受け入れられることが多いと考えられる。本研究は,イタリア料理の代表的な食材であるパスタを使ったパスタ料理に着目し,和風パスタと呼ばれる料理に使われる代表的な食材・調味料と典型的なそれらの組合せを明らかにすることを目的とする。

【方法】380万件以上のレシピ登録数があるレシピサイト「クックパッド」において,検索語「和風」「パスタ」とその類語で検索・抽出した約17,000件について分析した。投稿レシピで使用される食材・調味料名は多岐にわたり,クックパッド内での表記統一に加え,表記ゆれをなくすように統一表記名に修正後,頻度の集計,およびデータサイエンスの手法を用いて食材・調味料等の共起ネットワークを生成し,食材・調味料の使用傾向と組合せをとらえた。

【結果】和風パスタ料理によく使われる調味料はしょうゆ,オリーブ油,バター,こしょう,塩,めんつゆ等の順に,食材はパスタ以外では,タマネギ,シメジ,ベーコン,大葉,ツナ,唐辛子等の順に多かった。調味料・だしの使用傾向として,しょうゆとだし類の組合せ以外にめんつゆを単体で使う例も多くみられた。出現頻度の高かったツナ以外に,和風パスタの料理名によく使われるタラコ,キノコ類等についてみてみると,これらの主な食材に対して,大葉や海苔等の特徴ある香りと色を添える副材料の組合せが特徴的にみられた。

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