日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2B-5
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口頭発表
蒸し加熱した白ネギの嗜好特性と成分含有量の関連
*井奥 加奈冨本 翔太岡田 紗弥
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キーワード: 白ネギ, 蒸し加熱, 嗜好特性
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抄録

【目的】白ネギのおいしさには還元糖量が寄与しているといわれ,品種による甘みの相違に関する報告は多い。しかし,加熱時間による甘みの変化に関してはほとんど検討されていない。そこで,蒸し加熱による白ネギの含有成分量の変動と嗜好特性の関連について検討した。

【方法】白ネギ(鳥取県産)の葉鞘部を3等分し,中央のみを長さ10 mmの輪切りにして試料とした。蒸し加熱は蒸し器を用い,1つずつ器に入れて調理した。還元糖量は,白ネギに含まれる還元糖量と,試料ネギを一軸圧縮した際に放出される還元糖量(リリース糖量)をソモギーネルソン法で定量した。テクスチャーの変化はクリープメーター(山電,RE-3305B)にて測定した。官能評価は2023年1月に大学生24名を対象として蒸し時間10分,20分,40分の白ネギ試料を提供し,甘み,におい,ジューシーさ,辛味,かたさ,とろとろ感についてVAS法による官能評価を行った。

【結果・考察】蒸し加熱した白ネギ試料に含まれる還元糖量は調理時間に伴う増減がみられず,40分蒸し加熱しても調理後100 gあたり2.5 g前後であった。一方,リリース糖量は生鮮重量100 gあたり0.152 g(非加熱)から加熱時間の増加とともに有意に増加し,40分加熱で0.811 gになった。官能評価においては白ネギに対する嗜好が低い方が加熱時間に伴う甘味の増加傾向を示す傾向がみられた。

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