日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2C-1
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口頭発表
塩麴漬けした魚肉の呈味成分による解析
*藤原 久子徳本 実咲古田 歩谷本 昌太
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抄録

【目的】昨年度本大会おいて,塩麴がハマチ(普通肉・血合肉)における保存性および呈味成分に与える影響について遊離アミノ酸および核酸関連物質等の報告を行った。本発表では,遊離アミノ酸および核酸関連物質の定量値を用いた味覚活性値(TAV),相対うま味濃度(EUC),階層的クラスター分析(HCA)および主成分分析(PCA)による検討を行った。

【方法】〔試料〕塩分濃度10%の塩麴を調製し,塩麴をハマチ切り身重量に対して10%用いて,1日および7日間貯蔵後加熱した。未処理試料および10%食塩水試料も同様に貯蔵後加熱した。〔遊離アミノ酸および核酸関連物質〕UPLC,HPLCにて測定した。〔TAVおよびEUC〕呈味成分値を各式に代入して算出した。〔HCA〕Metabo Analyst 5.0を用いた。〔PCA〕SIMCA16を用いた。

【結果】〔TAV〕IMPは全部位,全処理条件および貯蔵期間で1以上を示した。Hisは背肉および腹肉の全処理条件および貯蔵期間,Gluは背肉および血合肉の貯蔵7日塩麴試料で1以上を示した。〔EUC〕全部位の10%食塩水試料および腹肉の塩麴試料において貯蔵期間の経過とともに有意に減少した(p<0.05)。一方で,背肉および血合肉の塩麴試料はEUCが維持された。〔HCA〕貯蔵7日塩麴試料(全部位)とその他試料に大きく2分された。その他試料はさらに背肉および腹肉の貯蔵0日および1日試料,血合肉試料,背肉および腹肉の貯蔵1日および7日試料に区分され,各クラスター間の呈味成分が特徴づけられた。〔PCA〕貯蔵7日塩麴試料(全部位)とその他試料は離れており,呈味成分の組成が異なった。HCAおよびPCAより,貯蔵7日の塩麴試料の特徴は,遊離アミノ酸の違いによることが示された。

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