主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2024年度大会(一社)日本調理科学会
回次: 35
開催地: 鎌倉女子大学
開催日: 2024/09/06 - 2024/09/07
【目的】近年、若者の味覚は低下しており、食について学ぶ大学生にも同様の傾向がみられる。本研究では、食について学ぶ大学生の味覚の現状を把握し、食生活や食嗜好との関連性について検討する事で、味覚低下の原因を明らかにする事を目的とした。
【方法】2019年度に大学に入学し、食について学ぶ学生42名(男性18名、女性24名)を対象に味覚試験として、5味識別試験(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)を実施した。同対象者に、食生活と食嗜好についてのアンケート調査を行った。対象者が3年生になる2021年に再度、5味識別試験と食生活と食嗜好についてのアンケート調査を実施し、経年変化と味覚の変化に関わる要因について検討する。
【結果・考察】2019年度に大学1年次で実施した5味識別試験の正解率は、甘味73.8%、塩味76.2%、酸味47.6%、苦味35.7%、うま味42.9%であった。苦味は55%、その他の4味は80%の正解率を想定して試料を調製したため、いずれも想定より正解率が低い結果となった。2021年度に同対象者が大学3年次で実施した5味識別試験の正解率は、甘味83.3%、塩味81.0%、酸味38.1%、苦味40.5%、うま味50.0%であった。甘味、塩味、苦味、うま味においては2019年度よりも2021年度の正解率が上昇した。酸味については正解率が2019年度より2021年度で低下した。2019年度から2021年度にかけて5味識別試験の正解数の平均値が上昇した14名、低下した17名、現状維持11名の3グループに分けて、食生活と食嗜好についてのアンケート調査の結果から、味覚の変化に関係する要因について検討する。