主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2024年度大会(一社)日本調理科学会
回次: 35
開催地: 鎌倉女子大学
開催日: 2024/09/06 - 2024/09/07
【目的】チルド米飯は、低温で輸送することで賞味期限の延長を図ることで食品ロスの低減が期待されている。5℃以下での輸送時に米飯老化が進行し、喫食時には電子レンジ等の加熱が必要である。これまで、米飯の品質については炊き立て直後品について知見が蓄積されてきた。チルド輸送後の再加熱品について知見が得られたので報告する。【方法】精白米300gに1.4倍量の水を加え、マイコン式炊飯器(タイガー、JBU-A550)で炊飯米を得た。炊飯米の一部を25℃の恒温化で冷却した後、テンシプレッサーによる一粒低・高圧縮測定により各種米飯物性値を得た。同じ調製後の炊飯米約60gを60mmのディスク上に成形したものを5℃保存することでチルド米飯とした。3日5℃で保管後、500Wの電子レンジで60秒加熱した試料について、同様に米飯物性値を得た。また、生米から米粉を調製し、RVAによる糊化粘度特性を得た。【結果】水稲13銘柄を炊飯し冷蔵した。このチルド米飯を電子レンジ加熱させた米飯の品質は、米飯表層の硬さ(H1)、表層付着力(S1)およびそれらの比である表層バランス度(S1/H1)について炊飯直後品との相関が見られた。レンジ加熱米飯と炊立て米飯の品質差は、炊立て米飯品質の表層付着量(L3)、表層粘性(A3)、全体硬さ(H2)および全体粘性(A6)と相関が認められ、これらはいずれも糊化粘度特性のうち最高粘度とも相関があった。