日本調理科学会大会研究発表要旨集
2024年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-33
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食器の材質が料理の温度イメージに及ぼす影響
*伊藤 有紀桜庭 優奈
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抄録

【目的】料理は適温での提供がおいしさにおいて重要である。温度の感じ方に対して食器の材質の影響は大きいが、両者の関連性を調べた報告は少ない。本研究では温度イメージに着目し、食器の材質が、視覚から得る料理全体の温度イメージや食欲に与える影響を明らかにすることを目的とした。

【方法】食器は、陶磁器製、ガラス製、木製、紙製、プラスチック製、ステンレス製とし直径15㎝深さ5.5㎝の浅鉢に料理を盛り付けた画像を準備した。料理は和洋中(アジア料理含む)で、各々汁物・温かい料理・冷たい料理とし、きのこのすまし汁・肉じゃが・そうめん、ミネストローネ・ロールキャベツ・サラダ、卵と青梗菜のスープ・麻婆豆腐・生春巻きとした。女子大学生49 名を対象に、「抵抗なく食べられそうか」「食欲がわくか」「(温かい料理の場合)温かそうか」「(冷たい料理の場合)冷たそうか」「料理との相性」について順位法を用いて評価させた。

【結果】冷たい料理を除きすべての項目で和食では木製、洋食と中国料理では陶磁器製で評価が高い傾向であった。木製、陶磁器製は、きのこのすまし汁、ミネストローネ、卵と青梗菜のスープ、肉じゃが、ロールキャベツ、麻婆豆腐を盛り付けた時「温かそう」の評価が高く、ガラス製とステンレス製はそうめん、サラダ、生春巻きを盛り付けた時に「冷たそう」の評価が高かった。木製の器に冷たい料理を、ガラス製、ステンレス製の器に温かい料理を盛り付けた時は評価が低い傾向であった。ステンレス製食器は、「冷たそう」の項目では、そうめん、サラダ、生春巻きを盛り付けたとき評価が高かったものの、それ以外の項目では低かった。

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