日本調理科学会大会研究発表要旨集
2025年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-20
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米粉・カリフラワーペースト混合ピザの物性と嗜好性
*平岡 結菜島田 良子吉村 美紀
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抄録

【目的】小麦アレルギー対応食として米粉がよく用いられる。米粉パンに関する報告は多いがピザに関しては少ない。また近年、米の代替としてカリフラワーが海外を中心に注目されている。本研究では、小麦粉(中力粉)の代替として米粉と濃度が異なるカリフラワーペーストを用いたピザ生地及び焼成ピザの物性・嗜好性について検討した。

【方法】試料は米粉ピザ(コントロール)、コントロールと水分量を同じに調整したカリフラワー(CF)の混合濃度が異なるピザ(CF1、CF2、CF3)を用いた。CF1は水とCFを1:1で、CF2は水とCFを1:2でミキサーを用い、ペーストにしたものを混合した。CF3はCFをフードプロセッサーで破砕したものを用いた。生地は動的粘弾測定と発酵試験を、焼成ピザは膨化率・比容積測定、テクスチャー測定、表面色測定、官能評価を実施した。

【結果・考察】CF濃度が増すと生地の弾性率(G)と粘性率(G’’)が有意に増加した。発酵試験ではコントロールの膨化率が290%であるのに対し、CF1は188%、CF2は169%、CF3は148%であった。焼成ピザでは、CF濃度が増すと膨化率・比容積が有意に減少し、テクスチャー測定の硬さが有意に大きくなった。表面色測定ではb*値が高く、黄色味が増した。官能評価では、CF1の見た目が有意に好まれ、総合評価で好まれる傾向を示した。米粉ピザに適量のCFを混合することで、コントロールより生地は硬く伸びにくく、ピザの膨化率・比容積は減少し、硬くなるが、黄色味が増し、見た目が好まれ、総合的にも好まれる傾向であった。よって、CF1が米粉・カリフラワーペースト混合ピザとして最も適当であると考えられた。

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