2012 年 11 巻 9 号 p. 565-584
本稿は、量産活動を持たない本国拠点が海外拠点の量産活動を支援できる可能性を、ミネベア株式会社の事例研究から検討するものである。ミネベアの本国拠点は、量産活動を撤退した後も、海外工場から量産活動に関する情報を積極的に集め、量産に関する知識を蓄積し続けた。活動を持たずとも知識を保有する「知識集約型マザー」となることで、海外拠点の量産活動を支援し続けることができた。この事例から、本国拠点が活動の範囲を超えた知識を保有することで、量産活動を持たなくても海外拠点の量産活動を支援できることが明らかになった。