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赤門マネジメント・レビュー
Vol. 14 (2015) No. 7 p. 403-412

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http://doi.org/10.14955/amr.140703

経営学輪講

心理的契約を再定義して定量分析を可能としたRousseau (1989) のもうひとつの重要な貢献は、心理的契約と比較して暗黙的契約という概念を提示したことにあった。この二つの概念は、分析対象が「個人か従業員全体及び組織か」、観察性が「主観的か客観的か」、契約の違反に対する反応が「個人的か全体的か」という点で異なる。同論文では、再定義した心理的契約では分析対象が個人であるが故に説明できない現象を説明するために、相互補完的な概念であり従業員全体を対象とする暗黙的契約を提示した。しかし、後続研究ではなぜか心理的契約ばかりが偏重され、暗黙的契約は姿を消してしまう。心理的契約と暗黙的契約では、契約違反に対する主体の反応が顕著に異なると指摘されているが、その反応の違いは、組織現象分析の際には重要であり、暗黙的契約が有用な概念であることを示している。

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