赤門マネジメント・レビュー
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日系企業の新興国市場における事業革新
エプソン「インクタンク」の導入過程
松井 義司
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論文ID: 0170829a

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抄録

2000年前半からインクジェットプリンター (IJP) の互換インク普及の問題が新興国で深刻化した。エプソンは新興国で既存の事業モデルが立ち行かなくなったが、インクタンクという新たな事業モデルを業界の中でいち早く2010年に導入した。本研究の目的は、エプソンの新興国市場におけるIJPの事業革新過程の特徴を解明する点にある。その特徴として、既存の事業モデルへの危機感、経営トップの関心、事業部と現地の協業など、事業革新の既存研究で頻繁に登場する点が挙げられる。しかし本事例の最大の特徴は、経営トップ、事業部と現地の協業、あるいは現地販社が、さまざまな出来事や探索結果について解釈し続けた点にある。日系グローバル企業が新興国発イノベーションを進める上での「変化する環境を解釈する組織的な能力」を問う事例である。

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