論文ID: 0211122a
本稿では、戦略転換 (strategic change) における企業の持つ既存事業での歴史とそれに対する意思決定者の認識がどのように影響するのかを検討した。日本のウイスキービジネスを対象に、異なるバックグラウンドを持つ企業3 社の運営する蒸留所を調査した。それにより、それぞれの事例において既存事業での活動の歴史が戦略転換に影響を与えることは共通していながら、既存事業との関係の認識の違いにより、何をアイデンティティの源泉とし、差別化しようとするのかについては違いが生じることを明らかにした。