2020 年 57 巻 2 号 p. 114-118
アミロイドーシスは,以前は有効な治療が全く存在せず生命予後が不良な難病であったが,近年病態に基づいた疾患修飾療法が次々と開発されている.遺伝性ATTRアミロイドーシスに関しては肝移植の有効性が確立しているが,侵襲性や移植後のアミロイドーシスの進行などの問題があった.その後TTR四量体安定化薬であるタファミジス,核酸医薬であるパチシランの有効性が証明され本邦で認可されている.野生型ATTRアミロイドーシスに対してもタファミジスの有効性が証明され,2019年に適応追加された.ALアミロイドーシスに対しては,異常形質細胞を標的とした新規の化学療法が開発され,近年予後が劇的に改善している.