2020 年 57 巻 3 号 p. 181-183
多系統萎縮症は自律神経系,小脳系,錐体外路系が障害される神経変性疾患である.診断には自律神経障害が必須であるが,病初期には運動障害が主体で自律神経障害が軽度の場合や,病初期から自律神経障害が目立つ場合などがあり,診断が困難なことが少なくない.近年,多系統萎縮症の病初期において運動障害と自律神経障害の重症度は必ずしも相関しないことを示唆する論文が自験例も含めて発表されたため,本稿では自律神経障害の中で最も頻度の高い下部尿路機能障害と運動障害の関係について概説する.