現代の情報機器や照明での情報機器やLED(Light Emitting Diode)照明による羞明や眼周囲不快感を訴える患者の存在と視機能を報告する.症例は34歳から62歳の男性3名女性6名の合計9例.臨床的特徴は,主な症状として羞明,眼痛または眼周囲不快感があった.とくに室内照明やPC,スマートフォンのディスプレイ,車のヘッドライトで光過敏を引き起こした.矯正視力は良好で眼位・眼球運動に異常はなく,コントラスト感度視力検査では光刺激であるグレアを与えても視力低下はみられなかった.赤/青の光刺激を使用した瞳孔対光反射検査は正常であった.眼球および視路に病変がないにもかかわらず,持続的な光過敏および眼痛のために日常視に支障をきたしていたが,今回の検査程度の刺激では異常を捉えることはできなかった.これらの症例は,視力に関連する高次脳機能障害の可能性が考えられるが,発症メカニズムは不明である.