自律神経
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シンポジウム
機能性ディスペプシアの病態研究の進歩:Rome基準も含めて
鈴木 秀和
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2021 年 58 巻 4 号 p. 266-272

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抄録

機能性ディスペプシア(FD)は症状の原因となる器質的疾患を認めない,胃・十二指腸領域に起因する不快な慢性症状がある症候群をいう.その病態は未だ解明されていない点が多いが,消化管運動異常,内臓知覚過敏,社会心理的ストレスだけでなく,遺伝的因子,食事要因,微小炎症と粘膜透過性亢進,腸内環境や腸管感染も関連するとされる.また,これら要因が腸脳相関と深く関与し,Rome IVでは「腸脳相関の異常」という副題がついており,脳-腸-腸内細菌叢軸の重要性が提唱されている.まさに,80年前に提唱された自律神経過剰刺激症候群の病態機序の慢性版であると考えられる.Rome IVは,過去10年の病態研究の進歩に基づいて診断技術と治療学の進歩を示したが,その後も当該領域の研究の進歩は絶え間なく,それらが新たな議論の土台となり,2026年の発刊予定の改訂版のRome Vに発展することが期待されている.

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© 2021 日本自律神経学会
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