加齢に伴う筋量と筋力の低下(サルコペニア)の原因を明らかにするには,筋や運動神経系に加え骨格筋支配の自律神経系の働きの解明も必要である.アドレナリン作動性血管収縮神経とされる筋交感神経が,組織学的には筋線維や神経筋終板にも分布し,骨格筋量の維持や収縮力の調節に関与しうる.我々は,脛骨神経刺激による下腿三頭筋強縮力が腰部交感神経幹,腰髄後根,頸髄の切断により減弱し,筋収縮時に腰部交感神経節後線維に反射電位が誘発されることから,骨格筋収縮による交感神経の反射性興奮がその筋の収縮力維持に寄与することを明らかにした.加齢によりこの仕組みが減退し,サルコペニアの一因となる可能性について考察する.