起立性低血圧はパーキンソン病の非運動症状の代表的な症状の1つである.起立性低血圧を伴うパーキンソン病は認知機能障害を来しやすく,また運動症状の進行が早く生命予後も不良とされ,その対策は重要である.心臓交感神経障害は起立性低血圧を来す主要な要因の一つである.パーキンソン病発症メカニズムとして最初のα-シヌクレイン変化は腸管から始まり逆行性に迷走神経を介して中枢へ広がる経路が提唱されている.心臓に関しては,交感神経系を介して腸管から逆行性に腹腔神経節,そこからシナプスを介して交感神経幹によって星状神経節に達し,心臓へ到達することが実験的にも証明されている.さらにはα-シヌクレイン病理は心臓交感神経を介して逆行性に中枢へ広がっていく可能性もあり,パーキンソン病発症の病態を考えるうえでも今後の研究の発展が望まれる.