The Japanese Journal of Antibiotics
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血中濃度からみたSodium Cephalothin (CET) の腹腔内投与について
竹本 洋一野見山 世司大同 禮次郎
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1975 年 28 巻 3 号 p. 341-344

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抄録
近年における外科手術は, 麻酔学をはじめとして, 抗生物質や輸血, 輸液の発達によつて, 飛躍的な進歩をなした。消化器癌に対しても, 徹底的なリンパ節廓清術や広範囲の切除による根治術は, 今日ではほとんどの施設で安全に施行されている。しかし, 消化管の手術では管腔内は常に不潔であり, 手術操作によつてEscherichia coliをはじめとして, 多数の病原菌で手術創が汚染される危険性がきわめて大きい。抗生物質の長足の進歩といえども, 手術に対する術前, 術中の清潔については厳重におこない, かつ化膿性疾患に対する抗生物質の使用には充分慎重でなければならず, 腹膜炎や膿瘍に対する手術では, 術後の排膿を充分有効的に設置しなければならないし, 同時に感受性の高い抗生物質の大量をも敢えて必要であろう。しかし, 一般に施行されている清潔手術でも, 消化器系の手術では常に消化管吻合などによる周囲の汚染を防止するために, たとえば2枚ガーゼで保護したり, 使用した器具は別個にするなどの細心の注意がまず第1に肝要と思われる。さらに, 術後の感染防止のためには, 充分その目的にかなった抗生物質の局所的, 全身的投与ということも, 決してゆるがせにしてはならない。しかし, 外科的治療後に漫然と大量の抗生物質を併用してそれだけに依存することは, 厳に慎むべきであると思われる。
今回, 消化器外科手術時に, きわめて安易にまた習慣的に施行されている腹腔内への抗生物質投与について, 臨床的に検討する機会を得たので報告する。
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