The Japanese Journal of Antibiotics
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28 巻, 3 号
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  • 大久保 滉, 岡本 緩子, 右馬 文彦, 上田 良弘, 上田 敏彦, 鎌井 順弘
    1975 年 28 巻 3 号 p. 283-287
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacin (BB-K8) は, Kanamycinの誘導体で, その構造式中に燐酸化される3'-OHおよびAcetyl化される6'-NH2をもちながら, つよい抗菌力を示す抗生物質であることは, 諸家1) の報告もあり, われわれも, その基礎的, 臨床的研究をすでに発表した2)。しかし, 当時もちいたAmikacinはVialに粉末剤として充填され, 必要に応じ溶解使用するものであつた。今回, われわれは, 本剤をあらかじめ溶解液に溶かしVialに入れた製剤 (以下, 液剤という) を従来のもの (以下, 粉末剤という) と吸収, 排泄について比較検討する機会を得たので報告する。なお, 測定方法は, 枯草菌ATCC。6633を検定菌とする帯培養法3) によつた。標準線は, Amikacinのヒト血清希釈でも, pH7.2の燐酸緩衝液希釈でもほぼ一致した。対象は, 26才から38才までの健康成人で, 100mg筋注群 (3名) と200mg筋注群 (2名) とに分け, 粉末剤注射者と液剤注射者をとりまぜ, 1回の測定に供し, 次回には同一人にCross Overした。
  • 秋吉 正豊, 佐藤 喜一, 中田 穂出美, 田島 たよ子, 鈴木 健, 岸本 勝次
    1975 年 28 巻 3 号 p. 288-304
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacin (BB-K8) は, Bristol万有研究所のKAWAGUCHI et al.(1972)1)によつて開発された新しいKanamycin (KM) の誘導体であつて, KM耐性菌の生産する不活化酵素が作用するKMの特定のアミノ基をアシル化してあるために, KM耐性菌に対して抗菌作用を現わすといわれている。BB-K8は, その後にみとめられたPseudomonas, Enterobacteriaceaeなどに対する抗菌作用2, 3) や, 薬理学的研究4)などの結果から, 臨床的にも感染症に対する新しい抗生物質として広く利用される可能性が考えられている。しかし, BB-K8は化学構造上はアミノ配糖体抗生物質に属するために, アミノ配糖体抗生物質のもつ共通的な聴器毒性の検討が, このばあいも重要な意義をもつと考えられる。
    BB-K8の聴器毒性については, すでにREIFFENSTEIN et al.(1973)5) によるネコでのBB-K8とKMとの動物試験で, BB-K8がKMと同様に聴器に対して1次的障害を与えることが報告されており, わが国においても, BB-K8を投与したモルモット (秋吉ら) 6) の聴器障害や, マウスの聴器の超微構造上の障害像 (中井ら)7) に関する研究や, BB-K8を臨床的に使用した感染症例についての耳科学的検査の報告 (三辺ら)8) がみられている。
    われわれは, BB-K8の聴器に対する影響をモルモットについて, Gentamicin (GM) およびKMのそれと比較するために, 20KHzから0.5KHzまでの周波数域における周波数別耳介反射試験と, 内耳の全領域における有毛細胞の障害像の拡がりの病理組織学的検索とをおこなつてきたので, それらの結果について報告することにしたい。
  • 富岡 一, 小林 芳夫, 玉谷 青史, 森下 鉄夫, 長谷川 弥人
    1975 年 28 巻 3 号 p. 305-308
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    グラム陰性桿菌 (GNR) 敗血症が, 米国においては, Du PONTら1) によれば1964~1966年頃から増加している。慶応義塾大学病院においても1970年を境に殖えはじめ, それまでの年間平均6~7例前後から, 1972年には17例, 1973年には32例を経験し, 1974年には年間56例のGNR敗血症を経験するにいたつている2, 3)。しかもその予後は, 最近の化学療法をもつてしてもきわめて不良で, いずれの報告でも50%前後の死亡率がみられている。われわれの血液疾患を基礎疾患とする敗血症の経験でも, Pseudomonas aeruginosaで50%, E, coliで36.4%, Klebsiellaで40%の死亡率であつた4)。それだけに, GNR敗血症の適確な治療法の確立と, その実施は, 原因菌の把握にはじまり, 今日においても一層つよく要望されている。
    しかも近年敗血症から分離されてくるGNRは, β-Lactam系抗生剤に対して, 他の病巣由来株より感受性が低く, 高度耐性株も多い2,4)。したがつて, GNR敗血症ではβ-Lactam抗生剤とともに, 治療上の支柱となるAminoglycoside系抗生剤, とりわけGentamicin (GM) 系抗生剤の意義は最近ますます高まつてきた。しかし, GMにも1973年以降, 耐性株が目立ちはじめ, 1974年にはいちじるしくその数をました。血中分離GNR株のGM耐性率は, 菌種にもよるが11.5%から18.8%にある3)。また入院患者の尿中由来のKlebsiellaでは30.6%にGM耐性株が検出されており8), GM耐性GNR感染症の治療法が, 早急に要望されるであろう。
    この点に関し, ROSENBLATTら5), KLASTERSKYら6) は, AmikacinがGMと交叉耐性のないことを示した。われわれも, AmikacinがGM, Tobramycin, Dibekacin耐性株との間で交叉耐性をもたないことを確めている3)。最近, GM無効のP. aeruginosa, Proteus mirabilisによる2例の敗血症例に遭遇し, GM耐性GNR敗血症におけるAmikacinの臨床成績にふれる機会をえた。その経過概要についてのべる。
  • 第1報Fosfbmycin-Ca塩の吸収,分布および排泄
    藤田 正敬, 友野 法子, 安部 政弘, 細井 薫, 佐藤 豊美, 三浦 太郎
    1975 年 28 巻 3 号 p. 309-313
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい抗生物質であるFosfomycin ((-)-cis-1, 2-epoxypropylphosphonic acid) のCa塩について, 経口用製剤開発を目的として絶食したラット, ウサギおよびイヌを用いて, 経口投与における吸収, 分布および排泄などの基礎的検討を加え, 次のような成績を得た。
    1) ラットを用いた実験では, 投与量を多くすると, 消化管吸収性の指標の1つである尿中排泄率は小さく, 逆に糞中排泄率は大きくなり, 吸収効率は低下するようであつた。しかし・尿中排泄量としては増加しているので, 投与量の増加は血清中濃度上昇に寄与していると考えられた。
    2) ウサギおよびイヌを用いた実験では, 一般的にいわれているように, 溶液として投与したほうが懸濁液として投与したばあいよりも吸収性が良好であつた。しかし, 前者のばあい・溶解するために水量が多く, 必ずしも溶解過程または溶解速度だけが影響しているとは考えられなかつた。
    3) ラットおよびイヌを用いた実験では, 比表面積計測定法による1.50μと0.64μ程度の粒子径の差は, 吸収性にほとんど影響をおよぼさず, 原末は微細化処理をおこなわずに製剤に使用できると考えられた。
    4) 消化管吸収性は, ラット>イヌ>ウサギの順に良好で, 種差が多少あるようであつた。このような相違は, 消化管の生理的機能はもちろんであろうが, 吸収部の長さのような解剖学的相違も大きく影響しているのではないかと推察された。
    5) ウサギにおける臓器中濃度は, 腎において最も高く, 次いで肺, 心などであつたが, いずれの臓器についても, その経時的推移はほとんど血清中濃度に相似し, 24時間後においても初期値を維持するものはなく, 特定臓器への残留性はみとめられなかつた。
    6) Fosfomycin-Ca塩の消化管吸収性は, 動物種によつて多少ことなるが, 比較的良好で, 粒子径の吸収性におよぼす影響はほとんどなく, 製剤化にさいしては原末粒子の微細化は特に必要でないと考えられた。また, 本物質は一たん体内に分布したのちは, 特定臓器に残留せず, 体外に排泄されると考えられた。
  • 第2報Fosfomycin-Ca塩経口用製剤のイヌにおける吸収性
    藤田 正敬, 友野 法子, 安部 政弘, 細井 薫, 佐藤 豊美, 三浦 太郎
    1975 年 28 巻 3 号 p. 314-319
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    第1報で述べたような基礎的知見をもとにしてつくられたドライシロップ剤とカプセル剤の吸収性, または効果的服用条件などについてイヌを用いて検討した。
    (1) 1g中Fosfomycin-Ca塩をFree acidとして200 mg含有するドライシロップ剤の吸収性は, 原末のとれとほとんど同等で, 製剤化による吸収性の変化はみとめられなかつた。
    (2) 1カプセル中Fosfomycin-Ca塩をFree acidとして250 mgおよび500mg含有するカプセル剤でよ, カプセルの崩壊, 主薬の分散などの過程によると思われる吸収遅延がわずかにみとめられたが, 一たん分散しこのちの吸収性は原末のそれと大差なく,製剤化の影響はほとんど無視された。
    (3) ドライシロップ剤とカプセル剤内容物の吸収性は, ほとんど同等であつた。
    (4) カプセル剤投与と同時に水を与えると, 吸収性が向上した。また, 給餌後に投与すると, 吸収の遅延がお二つたが, 血清中濃度の低下は少なく持続化し, 吸収量も多くなり, 臨床的に有用と思われる変化がみとめられた。
    (5) Fosfomycin-Ca塩の消化管吸収性は, ドライシロップ剤またはカプセル剤などの経口用製剤化によつても変化せず・水または食餌の摂取によつて吸収性が向上することが明らかとなつた。
  • 宮内 慶之輔, 吉田 隆, 笠井 隆夫, 斉藤 喬子, 平野 英子, 陶山 佳代子, 吉村 正子, 石井 孝弘, 安部 政弘, 鬼海 庄一郎
    1975 年 28 巻 3 号 p. 320-330
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Fosfomycin (FOM) は, アメリカMerck社およびスペインCEPA社}こおいて共同開発されたStreptomycesfradiae, S. vivideochromogenesおよびS. wedmorensis1)などが産生する新らしい抗生物質である。FOMは, 図1に示すようなエポキシ環をもつきわめて簡単な化学構造をもち, L-α-Glycerophosphate (α-GP) およびGlucose-6-phosphate (G-6-P) の能動輸送系を介して菌体内に取り込まれ, 細菌細胞壁合成の初期の段階を阻害するユニークな抗生物質である。
    今回, われわれは, FOMの細菌学的研究の一環として, in vitroおよびin vivoにおける抗菌力を検討したので, その成績について報告する。
  • 関根 理, 薄田 芳丸
    1975 年 28 巻 3 号 p. 331-334
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    (1) Ampicillin-cloxacillin for intravenous injection (Rectocillin ‘Kyowa’) was administered to 9 patients 1g or 2g daily for protection of postoperative infections, and good result was obtained in all cases. Eight out of 9 cases were with renal insufficiency. No side effect was encountered.
    (2) Rectocillin was administered to 14 patients with infections. The treatment was remarkably effective in 4 cases, and effective in 6 cases. In the cases with renal insufficiency, a daily dose of 1g was effective. The dose administered to the patients with normal renal function was 2g or 4g daily. Neither clinical nor laboratory findings showed evidence of side effect.
  • 中野 修道, 松村 聡
    1975 年 28 巻 3 号 p. 335-340
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    尿路感染症, 特に膀胱炎の治療は, 当科ばかりでなく, 広く各科で加療される機会が多く, 各種の抗生物質が使用されている現況である。一方, 初期加療で完治しない症例については, 原因精査を目的に紹介され, 80~90%は, すでに抗生物質の投与を受け第1選択に困難を感じるばあいもあり, 起因菌についてみても, グラム陰性菌ばかりでなく, グラム陽性菌によるばあいも最近増加の傾向を示している。
    今回, アンピシリンとクロキサシリンの合剤であるレクトシリン‘協和’を経口および静注 (点滴静注), 計40例に使用し, 2, 3の知見を得たので報告する。
  • 竹本 洋一, 野見山 世司, 大同 禮次郎
    1975 年 28 巻 3 号 p. 341-344
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年における外科手術は, 麻酔学をはじめとして, 抗生物質や輸血, 輸液の発達によつて, 飛躍的な進歩をなした。消化器癌に対しても, 徹底的なリンパ節廓清術や広範囲の切除による根治術は, 今日ではほとんどの施設で安全に施行されている。しかし, 消化管の手術では管腔内は常に不潔であり, 手術操作によつてEscherichia coliをはじめとして, 多数の病原菌で手術創が汚染される危険性がきわめて大きい。抗生物質の長足の進歩といえども, 手術に対する術前, 術中の清潔については厳重におこない, かつ化膿性疾患に対する抗生物質の使用には充分慎重でなければならず, 腹膜炎や膿瘍に対する手術では, 術後の排膿を充分有効的に設置しなければならないし, 同時に感受性の高い抗生物質の大量をも敢えて必要であろう。しかし, 一般に施行されている清潔手術でも, 消化器系の手術では常に消化管吻合などによる周囲の汚染を防止するために, たとえば2枚ガーゼで保護したり, 使用した器具は別個にするなどの細心の注意がまず第1に肝要と思われる。さらに, 術後の感染防止のためには, 充分その目的にかなった抗生物質の局所的, 全身的投与ということも, 決してゆるがせにしてはならない。しかし, 外科的治療後に漫然と大量の抗生物質を併用してそれだけに依存することは, 厳に慎むべきであると思われる。
    今回, 消化器外科手術時に, きわめて安易にまた習慣的に施行されている腹腔内への抗生物質投与について, 臨床的に検討する機会を得たので報告する。
  • 那須 勝, 岩永 正明, 斎藤 厚, 堤 恒雄, 広田 正毅, 中富 昌夫, 堀内 信宏, 餅田 親子, 伊折 文秋, 猿渡 勝彦, 林 愛 ...
    1975 年 28 巻 3 号 p. 345-352
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Penicillin Gに始まつたPenicillin系抗生物質は, 注射剤から酸に安定な経口剤へ, またPenicillinaseに分解されないPenicillinの開発, さらに広域スペクトラムをもつ合成Penicillinへとめざましく発展した。しかし, 広域合成Penicillinは, Penicillinase産生菌には無力であり, Penicillillaseに安定なPenicillinは, グラム陰性桿菌には抗菌力が弱いことが欠点とされている。この点をおぎなう意味で, 両薬剤の併用により抗菌域を拡大させようとする報告がかなりみられる。
    今回私達は, 広域合成PenicillinであるAmpicillin (Aminobenzylponicillin, AB-PC) とPenicillinaseに安定なPenicillinであるCloxacillin (Methylchlorophenylisoxazolylpenicillin, MCI-PC) を1:1に配合したばあいの抗菌力の面での基礎的検討と, 呼吸器感染症に点滴静注投与をおこなつたばあいの効果を検討したので, その成績を報告する。
  • 本村 美雄, 坂本 裕, 松川 純一, 新川 敦
    1975 年 28 巻 3 号 p. 353-362
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amoxicillin (α-Amino-p-hydroxybenzyl-penicillin, 以下AMPC)(Fig. 1) は, 英国のBeechamResearch Laboratoriesで開発された経口用の新しい半合成ペニシリンであり, Ampicillin (以下ABPC) のベンゼン核のパラ位に水酸基を導入したものである。
    AMPCの一般性状は, ABPCと類似しており, ABPCと同等度の抗菌性と抗菌スペクトルをもっているが, ABPCと同量の投与によってABPCの約2倍の血中濃度に達し, また食事によって吸収が影響されないという特徴がある。
    著者らは今回, 協和醸酵KKからAMPCの提供を受け, 耳鼻咽喉科領域の感染症に使用し, その臨床成績について検討をおこなつたので報告する。
  • 桑島 恵一, 村上 光, 田中 実一, 村越 鮪一, 中西 幸三
    1975 年 28 巻 3 号 p. 363-365
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amoxicillin (α-Amino-p-hydroxybenzyl-penicillin) は, 6アミノペニシラン酸の新誘導体1) で, グラム陽性菌および陰性菌に強い抗菌力を示し2), Ampicillinと類似の殺菌力, 抗菌スペクトルをもつ経口合成ペニシリンであるが, 消化管からの吸収はAmpicillinよりも優れている3) といわれる。我々は, Amoxicillin (以下AM-PC) を呼吸器系, 胆道系および尿路系感染症に試用する機会を得たので, その成績を報告する。
  • 妊娠ウサギに対する筋肉内注射による胎仔に及ぼす影響
    松崎 明紀, 阿久津 貞夫, 向川 秀生, 相沢 篤
    1975 年 28 巻 3 号 p. 366-371
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Kanamycinの誘導体であるAmikacin (以下BB-K8と略す) について, 妊娠ウサギに対する筋肉内注射による胎仔に及ぼす催奇形性について検討したので報告する。
    BB-K8の投与量は160mg/kg, 40mg/kgおよび10mg/kgとし, 妊娠8日から16日までの9日間にわたつて投与した。
  • 松崎 明紀, 阿久津 貞夫, 向川 秀生, 島村 達夫
    1975 年 28 巻 3 号 p. 372-384
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新らしいKanamycin誘導体であるAmikacin (以下BB-K8と略す) について, DDB4系マウスおよびWistar系ラットを用い, 妊娠時, 皮下注射による胎仔に及ぼす影響および出産後新生仔の発育に及ぼす影響について検討したので, その成績を報告する。
  • 松崎 明紀, 小野寺 邦介, 岡崎 勲, 中島 彰, 秋間 哲夫, 越野 充, 岸本 勝次
    1975 年 28 巻 3 号 p. 385-400
    発行日: 1975/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Amikacin (BB-K8) は, KanamycinAの2-DeoxystreptamineのC-1位アミノ基をL-γ-Amino-α-hydroxybutyricacidでAcyl化した新らしい半合成のアミノ配糖体抗生物質である1)。
    BB-K8はKanamycinと同程度またはそれ以上の抗菌活性を示し, 緑膿菌や変形菌にも強い抗菌性をもち, KanamycinやGentamicin耐性菌に対しても強い抗菌活性を示すことが報告されている2)。その一般薬理作用, 吸収・排泄, 代謝, 急性毒性, 亜急性毒性, 慢性毒性, 催奇形作用については, 万有の研究グループによつて報告されている14)。著者等は, BB-K8の薬理学的性質についてさらに追加検討をおこない, 下記の成績を得たので併わせて報告する。
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