1979 年 32 巻 2 号 p. 278-281
従来から扁平上皮癌に対するBleomycinの効果については, 市川ら1) の陰茎癌に対する報告を始めとし, 数多くの報告があり, その効果については, 諸医家の評価を得ている。しかし, 肺に対する副作用の問題もあり, より有効なBleomycinの出現が待たれていた。今回我々は, ブレオマイシン酸のカルボン酸とN-(3-アミノプロピル)-α-フ呂ネチルアミンの1級アミノ基を脱水縮合したブレオマイシン誘導体の硫酸塩であるNK 631 (Pepleomycin)(Fig.1) を皮膚悪性腫瘍に単独投与し, 良好な結果を得たので報告する。