抄録
栽培エノキタケ,シナノ6号の着色変異株に2本鎖RNAを見いだした.はじめに,菌糸をリン酸バッファー中で破砕し,PEG8000とNaClを添加してウイルス粒子を沈殿させた.得られたウイルス粒子をフェノール抽出し,アガロースゲル電気泳動を行うと3種類の2本鎖RNA(L1:分子量9.5kb,S1:分子量1.4kb,S2:分子量1.6kb)の存在が明らかになった.一方,着色変異を起こしていないシナノ6号株には2本鎖RNAは認められなかった.このことから,2本鎖RNAは,純白系エノキタケが褐色着色変異を引き起こす要因になっていると考えられる.