日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 豊増 哲郎, 杉山 公男
    原稿種別: 本文
    2003 年 11 巻 4 号 p. 151-158
    発行日: 2003/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    エリタデニン高含有品種の開発を目的として,シイタケ栽培品種,野生種の中からエリタデニンを比較的多く含む菌株を選定し,それらの間で集団交配して得た菌株を菌床栽培に供試した.エリタデニン含量および子実体収量を選抜基準にしてエリタデニン高含有菌株H44を選抜した.さらに,シイタケの生育時の温度が含量に大きな影響を及ぼすことを明らかにし,通常の5倍以上にエリタデニンを含有するシイタケの栽培法を確立した.エリタデニン高含有シイタケの有効性を,Wistar系雄ラットを用いた動物実験で確認した.その結果,エリタデニンを高含有するシイタケ(473mg/100g)は用量依存的に血漿コレステロール濃度を低下させ,食餌添加の最少有効量は0.05%であった.次に,エリタデニン含量の異なるシイタケ粉末を0.2%添加した基本食を2週間ラットに与えた.その結果,エリタデニンによって影響を受ける脂質代謝における各パラメーター(肝臓SAMとSAHの濃度比(SAM/SAH),PCとPEの比(PC/PE),PCの20:4n-6/18:2n-6比)は,エリタデニン含量との間に有意の負の相関が認められ,血漿コレステロール濃度はエリタデニン含有量の高いシイタケほど低下することが確認された.1%コレステロール添加食を与えたラットに対して通常のエリタデニン含有量のシイタケでは血漿コレステロール低下作用は認められなかったが,エリタデニン高含有シイタケは強い低下作用を示し,少量のシイタケ摂取でも脂質代謝に強い影響を及ぼすことが確認された.
  • 山本 嘉教, 斉藤 武, 堀内 勲
    原稿種別: 本文
    2003 年 11 巻 4 号 p. 159-164
    発行日: 2003/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    カバノアナタケの菌糸体を大量に得ることを目的として,液体培養における栄養要求性を検討した.至適初発pHは4.5でありpH3.0〜6.5の範囲でも成長可能であった.炭素源の中で最も菌糸体成長が良好であったのはトレハロースであり,3%の際に収量が最大となった.最も菌糸体成長が良好であった窒素源はイーストエキスであり,その至適濃度は0.6%であった.また,無機態窒素よりも有機態窒素の菌糸体成長が良好である傾向にあった.本研究により,カバノアナタケ菌糸体の大量培養のための基本的な条件が確立した.
  • 今西 隆男, 坂輪 光弘
    原稿種別: 本文
    2003 年 11 巻 4 号 p. 165-171
    発行日: 2003/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    古紙のリサイクルの一方策として,古紙で造った炭の粉砕物を,ヒラタケ菌床栽培における培地基材として利用することを検討したところ,古紙粉砕炭・米ぬか培地ではスギおが粉・米ぬか培地以上の発生量があった.子実体収量や培養中の菌糸伸長量,子実体の発生に要する日数には炭化温度や粒径よりも含水率の影響が大きかった.以上の結果は,古紙から造った炭はヒラタケ栽培の培地基材として十分に利用できることを示唆している.一方,古紙固形炭を利用した栽培でも,スギおが粉と比べると発生量は少なかったものの,培地内に菌糸が蓄積され,子実体の発生が可能であることが判った.
  • 吉澤 伸夫, 奥 竹史, 斎藤 久美, 石栗 太, 横田 信三, 飯塚 和也, 石川 洋一
    原稿種別: 本文
    2003 年 11 巻 4 号 p. 173-182
    発行日: 2003/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    含水率の異なるスギ培地を用いてシイタケ菌床の成熟化及び子実体形成について検討した.また,スギ培地へのリグニン添加の影響についても併せて検討した.スギ培地は,コナラ培地に比べて明らかに菌糸蔓延日数の遅れを示したが,含水率の増加に伴い日数の減少が認められた.コナラ培地では,菌床の成熟と共にブリネル硬さが増加したことから,ブリネル硬さが菌床の成熟化を示す一つの指標となりうることが示唆された.一方,スギ培地では,培養40日後まで硬さは増加したが,その後,緩やかに減少した.スギ培地では含水率を変化させても十分な収量が得られず,120日培養した培地でわずかに子実体が得られただけであったが,培地へのリグニン添加によって大幅に収量が増加した.これらのことから,シイタケ子実体形成にリグニン分解成分が関係している可能性が示唆された.
  • 金子 周平
    原稿種別: 本文
    2003 年 11 巻 4 号 p. 183-192
    発行日: 2003/12/31
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
    ヌメリスギタケ野生株の二核菌糸体は5〜30℃で成長し,至適培養温度は26℃前後であった.5℃では各系統とも1mm/日程度の緩やかな成長がみられ,35℃ではある系統は成長できず,40℃ではすべての系統が成長できず殆ど5日間で枯死したが,10日以上生存する系統もあった.至適培地pHは6.5前後であった.培養後の培地pH値はおよそ3.5-5.5に収束する傾向にあった.スギ鋸屑の炭素(C)窒素(N)の含有率は,特にNについて,クヌギ,コナラより低い値であったが,米糠を混合することによりC/N比に大きな差はなくなった.さらにコーンコブ,綿実殻を混合することによりC/N比は低下した.スギ鋸屑と米糠を混合した場合の培地pHは5.7であり,ブナや他の広葉樹の培地と大きな差はなかった.スギ鋸屑に米糠を混合した培地は,瓶に詰めて殺菌した後の,瓶内上下の水分差が大きくバランスが悪いため栽培培地に不適と考えられたが,コーンコブミールさらに綿実殻を混合することにより水分バランスは良くなり,これによる二核菌糸体の培養で成長速度は速くなった.スギ鋸屑を利用したヌメリスギタケ栽培では,米糠のみの混合では収量が少ないが,これにコーンコブと綿実殻を混合した培地(500g/800ml瓶)から,2回発生で150g以上の収量が得られ,これらの混合が効果的であった.瓶の比較では,収量の点では800ml広口瓶が850ml瓶に優るが,形質の点では後者が柄が長く,有利と考えられた.
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