抄録
岡山県北部の19〜38年生ヒノキ人工林において,1年間にわたって月別地表流出量を調査し,10,60分間最大降雨強度(I_<10>, I_<60>)および月降水量(P)から導かれる降雨因子との関係を保育区と放置区に分けて分析した。その結果,保育区,放置区ともに,月地表流出量は6〜10月に多く,11〜2月に少ない傾向がみられた。月地表流出率の平均値±標準偏差は,保育区,放置区でそれぞれ17.2±3.6%, 23.2±9.2%であったが,放置区では,月地表流出率の最大値は52.1%に達した。月地表流出量は降水量(P)および降水指数(P・I_<60>)との間にともに対数式が成り立った。