アプライド・セラピューティクス
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心不全患者との16年間に及ぶ関わりの中で、心臓移植の待機から移植までのPT-INRモニタリングを薬剤師がサポートした1症例
中村 郁代佐藤 美弥子大向 香織長沼 未加
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 11 巻 p. 60-66

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抄録
ワルファリンは相互作用が多い薬剤であり、服用期間中のPT-INRのモニタリングが重要である。今回、心臓移植へのブリッジ(以下、BTT)として補助人工心臓(以下、VAD)を装着している患者1名について、薬剤師としてPT-INRモニタリングおよびVAD装着後のサポートを行ったので報告する。 患者は、20XX年より当薬局へ来局し、20XX+12年に心臓移植を登録、その4ヶ月後にVADを装着したのち20XX+16年に心臓移植を行った。心臓移植にまつわる治療の過程で通院先の医療機関は4ヶ所に増えたが、患者の負担を軽減できるよう検査値共有のための連携を働きかけた。また、不安になりがちな患者の心境を、患者を励まし続けることでサポートした。サポートとしては電話での24時間対応および、自らがHeartMate Ⅱ®(VAD)介護者の資格を取得することで患者が安心して生活できるように環境を整えた。この事例を通じ、患者の治療へ積極的に薬剤師が介入することは、患者の心身精神的負担の軽減につながるのではないかと考える。
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© 2019 日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
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