水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
海産ワムシへのタウリン直接強化方法の確立
高橋 隆行天野 高行竹内 俊郎
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 53 巻 2 号 p. 121-126

詳細
抄録

広塩性のL型ワムシBrachionus plicatilisやS型ワムシB.rotundiformisは海産魚類の種苗生産に必要不可欠な初期生物餌料である。しかし, 海産ワムシはアミノ酸の1種であるタウリンを少量しか含有していない。本研究は, ワムシへのタウリン強化を目的にタウリンを強化水槽中に溶解する直接法による検討を試みた。その結果, 直接法によりワムシヘタウリンが蓄積されることが明らかになった。また, DHA藻類や淡水濃縮クロレラなどの強化剤と併用することにより, ワムシへのタウリン蓄積量が改善された。さらに強化水槽中のタウリン濃度と強化されたワムシ中のタウリン含量は, 直線的な比例関係が観察された。強化ワムシ中のタウリン含量は, 強化開始16時間後にほぼ一定となり, 強化されたタウリンはワムシ中にて強化終了8時間後において約75%程度維持されていた。以上, 直接法によるS型ワムシへのタウリン強化方法が確立できた。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top