アレルギー
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スギ花粉抗原 (Cry j I) に対するモノクローナル抗体を用いたEnzyme-Linked Immunosorbent Assay (ELISA) によるCry j Iの測定
渡辺 雅尚田村 正宏名古屋 隆生高橋 裕一片桐 進岡 鐵雄
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1992 年 41 巻 11 号 p. 1535-1539

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抄録
スギ花粉の主要アレルゲンであるCry j I蛋白の高感度な定量法として, Cry j Iに対するモノクローナル抗体を用いたenzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) を確立した. すなわち, マイクロプレートのウェルにモノクローナル抗体 (KW-S131) を固相化し, 精製Cry j I又は試料, 続いてアルカリフォスファターゼ (Alp) 標識モノクローナル抗体 (KW-S10) を順に反応させた後, 基質溶液を加えて発色させ415nmの吸光度を測定するものである. 本ELISAでのCry j Iの測定範囲は0.16〜2.5ng/mlであり, 測定感度は0.16ng/ml と非常に高いものであった. また, 共通抗原性をもつヒノキ花粉の抗原とは反応せずスギ花粉のCry j Iのみを測定する高い特異性を示した. このELISAはスギ花粉エキスに含まれるCry j Iの定量ができ, スギ花粉エキスの標準化に応用できるものと思われる.
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© 1992 日本アレルギー学会
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