抄録
本稿では、オンプレミス計算機である九州大学スーパーコンピュータとクラウド計算環境であるAWSクラウドサービスを連携したハイブリッド計算環境において、それぞれの利点を活用する相互補完的な利用を実現する方法を調査し、提案した。オンプレミス計算機は、大規模かつ長時間の計算を行う際の費用対効果が高いという利点がある一方、保守等によるサービス停止期間や計算需要の急増に伴う資源割り当て待ち時間が問題となる。これに対してクラウド計算環境は、必要な時に必要な構成の計算資源を利用可能であるという可用性の高さや適用性の高さが利点である。そこで、これらの利点を活かした相互補完的な利用の基本形態として、ファイルの同期、オンプレミス計算機からのクラウド計算環境利用、およびクラウド計算環境からのオンプレミス計算機利用の3つを取り上げ、それぞれの実現方法を提案した。特にオンプレミス計算機は管理者権限が必要な操作が困難であることから、オンプレミス計算機側の操作は全て一般利用者権限のみで実行できるものを用いた。本稿では、実装方法の概要を説明するとともに、各操作の所要時間を評価した。