応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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【総説:―受賞論文―】 コプラミール由来β-1,4-マンノビオースの機能開発
―免疫学的解析を中心とした機能性飼料開発―
福井 健介 吉田 靖彦伊吹 昌久
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2019 年 9 巻 1 号 p. 28-34

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抄録

本研究は,ヤシ油搾油残渣であるコプラミールを原料とする酵素処理コプラミール(MCM)とその主要関与成分であるβ-1,4-マンノビオース(MNB)の飼料用抗生物質代替剤としての飼料機能の検討とその免疫効果のメカニズム検証を行った.その結果,MNBは腸管を通過して吸収されることが示唆され,さらに病原菌排泄促進,腸管免疫活性化を通じた腸管組織健常化などが畜産動物の増体促進につながることが確認されている.ビブリオ感染エビを用いた検討でも,生存率の改善,免疫活性の向上,抗菌性因子の活性化が見られた.マクロファージを用いたMNBの免疫メカニズムの検討で,Toll様受容体4のアゴニストとして作動し,その効果はMyD88依存性経路を介してサイトカイン分泌促進やその後の免疫系を刺激することが示唆された.一方,MNBを細胞あるいは動物へ投与したのち,LPSやサルモネラでの刺激を行った場合は,免疫反応や炎症を抑制する方向に働くことが示された.上記より,MNBは免疫を賦活するエフェクター効果を有するだけでなく,状況に応じて免疫と炎症のバランスを調整することが示唆されている.

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© 2019 一般社団法人 日本応用糖質科学会
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