応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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【総説】 ミルクオリゴ糖の機能研究における最近の進歩(4)
浦島 匡 福田 健二
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2019 年 9 巻 4 号 p. 254-265

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抄録

人乳には常乳で12~13g/Lの濃度でミルクオリゴ糖が含まれている.ヒトミルクオリゴ糖(HMOs)は若干の例外を除いて,還元末端にラクトース(Gal(β1-4)Glc)を含み,それにガラクトース(Gal),N-アセチルグルコサミン(GlcNAc),フコース(Fuc),N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)の結合した化学構造を有する.人乳には約250種類ものHMOsの存在が報告されているが,現在までに162の化学構造が決定され,コア骨格に基づいて19の系列に分類される.ヒトミルクオリゴ糖には,母乳栄養児に対するプレバイオティクス,感染防御,免疫調整,脳神経形成促進などの機能があることを証明する研究報告がされてきたが,近年一部のHMOsの大量調製が可能になって,in vivo ,in vitro でのこの分野の研究論文数が猛烈な勢いで増加しつつある.筆者は2014年と2018年に「ミルクオリゴ糖の機能研究における最近の進歩」と題する総説でそれらの国際的な研究動向を紹介したが,この総説ではそれ以降に発表された研究内容を網羅的に紹介する.食品添加物としてHMOs型のオリゴ糖を利用しようという動きが国内外で活発化しているので,機能関連情報を整理することを目的としている.

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© 2019 一般社団法人 日本応用糖質科学会
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