美味技術学会誌
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論文
パンの口どけ感に与える澱粉の老化の影響
Nguyen Thi Huong Lan西津 貴久 柴田 真奈美後藤 清和
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2014 年 13 巻 1 号 p. 5-12

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抄録

温度5 ℃下で1,3,7日間冷蔵した食パンを用いて,口どけ感と澱粉物性の変化の関係について検討した。官能評価により「唾液へのなじみやすさ」と「飲み込みやすさ」が冷蔵期間中に低下することを確認した。冷蔵期間中にパン内相の硬度は増加し,パン粉末と冷蔵処理をした糊化小麦澱粉の水への溶解度と膨潤力は減少した。またX線回折結果より,冷蔵中にパンの澱粉の老化が進行していくことが確認された。これらよりパンの澱粉老化が内相の吸水能の低下と硬度の増加をもたらし,口どけ感が低下するものと考えられる。

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© 2014 美味技術学会
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