美味技術学会誌
Online ISSN : 2186-7232
Print ISSN : 2186-7224
論文
米菓の口どけ感評価のための簡易的な人工食塊作製法の検討
伊藤 克祥細井 友加里山谷 健太竹井 亮髙橋 肇勝野 那嘉子今泉 鉄平西津 貴久
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キーワード: 米菓, 咀嚼, 口どけ感, 人工食塊
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2021 年 20 巻 2 号 p. 75-80

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抄録
 ビーズ式破砕機を用いた簡易的な人工食塊作製法を提案し,米菓の人工食塊の粒度分布と澱粉の平均重合度の経時変化についてヒト食塊の測定結果との比較から,提案の有効性を検討した。人工食塊の平均粒子径と澱粉の平均重合度は,咀嚼の進行とともに減少し,それぞれヒト食塊のデータと正の相関がみられた。口どけの良い米菓ほど人工食塊の平均粒子径と澱粉の平均重合度の減少速度が大きくなり,米菓の構造や澱粉の特性による食塊物性の違いを捉えられる可能性が示唆された。また,人工食塊の平均粒子径と澱粉の平均重合度における測定データの変動係数は,ヒト食塊の測定結果と比較して小さくなった。人工食塊の方がパネル間変動のあるヒト食塊よりも安定した物性を有する食塊が得られ,食塊物性の測定回数を減らしながら信頼性のより高いデータを得ることができる。
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