抄録
伝統的な梅干製造の各工程における塩分,有機酸量(クエン酸及びリンゴ酸),並びに総ポリフェノール量を明らかにした。また低塩分で機能性成分を多く含む梅干の製造法を開発するため,漬込工程及び脱塩工程におけるクエン酸添加,さらに乾燥工程での直射日光の遮光がそれぞれ有機酸量及び総ポリフェノール量に与える影響について調査した。調査の結果,梅干のクエン酸量は両工程でクエン酸添加を行った場合が最も高く,脱塩工程でのみ添加を行った場合,漬込工程のみで添加を行った場合の順に高かった。重回帰分析を行った結果,梅干のクエン酸量はクエン酸添加を脱塩工程時に行うほうが漬込工程時に行うより2倍以上高くなることが明らかになった。また乾燥工程時の遮光処理は,総ポリフェノール量の減少を有意に抑制した。