2015 年 2015 巻 42 号 p. 49-64
神奈川県立歴史博物館が所蔵する横浜市称名寺貝塚採集資料の報告を行なった。これらは林國治氏、小林小三郎氏旧蔵資料である。これらは現在の称名寺A貝塚およびB貝塚周辺で採集されたと考えられ、縄文時代中期後葉から後期前葉にかけての土器片が主体を占めている。縄文時代における称名寺貝塚での活動時期が端的に示されていよう。林氏旧蔵資料は、昭和二○年代に採集された資料である。武蔵野郷土館の吉田格氏がこの資料を見て称名寺貝塚の発掘を希望し、それにより実施した発掘調査によって縄文時代後期初頭の称名寺式土器の設定へと至った。その意味でこの林氏旧蔵資料は称名寺式土器研究の端緒となった資料群と言うことができ、学史的にも非常に貴重な資料と評価することができる。